ショベルヘッドのセルモーター分解とソレノイドの分解

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ショベルヘッドのセルが回らない

  • 時々、スタータを押してもウンともスンともいわない時がありました。 何回かスタータを押してると、セルが回りだします。 まず疑ったのはリレーでしたが、これは導通チェックで生きてるのを 確認しましたので除外しました。 次に、疑ったのはソレノイドです。 ソレノイドは電気が流れるとコイルに磁界が発生し中の軸を 引っ張るようになっています。 ショベルなどに使用されているソレノイドも電気が流れることで軸を 引っ張るようになっていますが、引っ張ったついでにこれらはセルモータを 回転させる電気も流すように設計されています。 単純に示すと

    • 1:スタータを押す
    • 2:ソレノイドに電気が流れる
    • 3:スタータドライブギアが押し出され、クラッチシェルのリングギアとかみ合う
    • 4:セルモータが回転する

    という一連の流れでクランクを回しているわけです。
    電気の流れは始動回路のflashにまとめています。

    よって、たまに回転しない原因として考えられるのはソレノイドの配線がどこかで 断線しかかっているのでないかと予測しました。 ソレノイドのふたを開けると断線しかかっており、このため磁界を発生させるための電気が流れにくくなっていました。

    ソレノイドのふた(配線がついている部分)をあけたところ ソレノイドのコイルに磁界を発生させるための配線が断線していました。
    これでは電気が流れないので、当然セルも回りません。 バネの右にみえる茶色の丸板は銅板です。これがソレノイドが 動作したあと蓋側のセルモータ配線の端子に接触しモータを回す 仕組みになっています。銅を使用しているのは電気抵抗が ちいさいため。
    1:ソレノイドが導通すると1の方向に軸が引っ張られます。
    2:つめの出ている部品がバネの上あたりを回転中心にして2の方向に出ます。
    3:後述しますがこれが2の方向に出ることでスタータドライブギアがリングギアと噛むようになります。
    1:上の写真にソレノイドとドライブギアを組んだ写真です。
    2:1の方向に軸が引っ張られるとドライブギアだけが回転しながら2の方向に飛び出ます。このときの回転はモータの回転ではなくドライブギアを取り付けて いるシャフトのスプライン加工によって回転しています。
    3:リングギアとドライブギアがかみ合い、セルモータによってドライブギアが回転し、その回転によりリングギアが回ります。
    4:この一連の動作でクランクを回転させています。

    リペアキットで修理しようかと思いましたが、経年劣化を考えアッセンで交換しました。 これで大丈夫かと思い組み立て後、動作確認を実施しましたがソレノイドが動きスタータ ドライブギアが出る音はしますが、回転しない場合がありました。 次に考えたのは、ピニオンシャフトは回転しているがドラブギアが回転しない場合です。 可能性としては低いのですが(というか余り考えられない)念のため交換しました。 それでも症状は改善されませんでした。当然といえば当然ですが・・・。

    一番観たくないところを観る羽目になってしまいました。セルモータです。 取り外してモータ単体での動作確認をしたところ、ある箇所で回転しないことが判明しました。 コミュテータのセグメント間にある絶縁マイカがくっついてしまい回転しないのかと判断しました。 またブラシの方もかなり磨耗していて交換が必要になってたので新品のセルモータを購入し交換しました。

    動作チェックをしたところ今度は回転し、クランクを回すことが出来ました。が……。 たまに、ドライブギアだけが調子よく回転します。ピニオンシャフトを受けているプライマリー側の ベアリングも交換しましたので芯ずれはないものと考えています。ワンウェイクラッチは大丈夫です。 よって考えられるのは、リングギアの磨耗かなと思いましたが、結局これを交換しても症状変わらずでした。

    1:ピニオンシャフトにドライブギアを組んだ状態
    2:黒い段つき部分に上の写真で説明したつめがひっかかっていましてつめが出ることでギアは回りながら矢印側に移動します。
    3:これはリングギアに噛みやすいようにです。
    1:純正品と社外品のピニオンシャフト(FXB/FXSB/FXDG,1982年クラシック1983,84年FLHとWG)
    2:社外品は面取りなど省略されている加工があります
    3:軸にきられたスプライン上をドライブギアが移動するので回転しながらギアが移動するようになっています。
    1:モータとピニンシャフトとドライブギアを仮組みした状態
    2:セルモータの回転は、画像のように伝達され、クランクを回転させます。
    1:ところどころ回転しないモータ
    2:ゼグメント間がつまっており、ブラシの磨耗後がはっきりと確認できます。
    3:リペアするか交換が必要です。
    1:コミュテータが上半分のようになっているとOK
    2:逆に下半分のようになっていると、糸ノコを使用してマイカを少し落として上半分のようにしてください。

    そして、2005年9月。車検のついでにおやぢさんに診て貰い、やっとわかりました。原因が。 ピニオンギア(ワンウェイクラッチ)が最後まで出ていませんでした。

    その他セルモータ関連はブログに記載しています。

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