ショベルのベルトドライブなんてものはかなりレアな種類だと思います。80年以降のFXB,FXSB,レアなFXDGやFL系では 82年のクラシック、83年以降のFLHなどのごく限られた期間(85年まで生産されたので6年)のものです。 インナープライマリーを外す工程、セルモータを外す工程がメインとなります。
2001年7月20日午後5:00。九州は佐賀県、福富にてご臨終を迎えたベルトを金がない理由でチェーン化しました。
チェーンはカシャカシャいってうるさいし、メンテが必要なので嫌だったんですが部品代が安いのでチェーンにしました。
今となってはレアなショベルのベルトドライブ。いつかは元に戻します。
作業開始前に、バッテリーのマイナス端子を外してくださいね。駆動系を修理するときは電源を落とすことは鉄則です。
1:アウタープライマリーケースを外す
2:クラッチの交換を参考にしてクラッチ板とシェルを外す。
3:ソレノイドを固定している2本のボルトと配線を外してソレノイドを取り除きます。
4:リングギアにワンウェイクラッチのギアをかまして逆ネジのピニオンシャフトナットを緩め、ピニオンシャフトカラーを抜くとワンウェイクラッチが抜けます
5:車体右側より、バッテリー、セルモータの配線、ブラケットを外し、セルモータを固定しているボルトを緩めセルモータを外す。
6:ハウジングにある矢印のボルトを外す。@は六角頭、Aは六角穴です。 特にAはキャップスクリューでないと干渉しますので、組むときは注意です。
リリースレバーにワイヤーがついていると、@の2本のボルトを取り外すのは面倒です。また、オイルタンクも脱着する際邪魔になりますが、これらを外し再度取り付けるのはもっと、面倒だと 自分は感じてしまうので、オイルタンクを車体左側で固定しているナットを緩め、オイルタンクをずらし、ロングアダプターを付けたボックスレンチを使用して取ってます。特にエンジン側のボルトは付けるのが非常に面倒です。
7:ギアを外します。スプラインで入っているだけなので簡単に外れます。
8:ハウジングを固定している2箇所のボルトを緩めて外します。
9:ハウジングを外します。
10:ワンウェイクラッチ、シャフトを外します。
11:コンペンセイトのナットを外す。ココ参照
JIMS/プライマリーチェーンロックツール コンペンセータを外すには、プライマリーチェーンをこのロックツールでロックします。
12:使用する工具。コンペンセイトは1・1/2インチと巨大。
13:ここのボルトを外し、チェーンとコンペンセイトのスプロケット、クラッチシェルをまとめて外す。
14:取り外した部品
15:クラッチハブロックナットを外します。 ロックナットはタブのついたワッシャにより、緩み防止されています。よって、まず最初にこのタブをマイナスドライバ等を用いて、平らにします。
16:ハブロックツールを使用して、ハブをロックします。いらなくなったクラッチ板で作ることも出来ます。回転させると長い棒が地面と接触してハブが一緒に回らないようにする工具です。
JIMS/クラッチロックプレート 36-84y 4速用 プライマリーチェーンを分解するならこういったSSTも利用できますね。
17:ロックナットは逆ネジを切ってあるので時計回りに回転させて緩めます。
18:ワッシャーを外します
19:プーラを使用してハブを外します。ハブはメインシャフトにテーパ結合されています。 真ん中のボルトを締めこんでいくとハブを抜く力が発生します。 一定以上の力が加わると、ハブが回転してしまうので先ほどのハブをロックする工具も使用します。
20:取り外したクラッチハブ。工具が無いからといって無理やり外さないで。
クラッチハブプーラー こういった特殊工具を国内ネット通販で購入できるようなったので便利ですね。
21:コンペンセイトやチェーン、クラッチを取り外した状態。83年からのベルトドライブ仕様のリンクル塗装なしのプライマリーケースのため、 チェーンドライブ用とは形状が異なります。84年後期になると湿式クラッチに変わるのでこれまたプライマリーケースが違います。 塗装なしは1年半だけしか生産されていないので、オークションでも中々出てきませんね。
22:テーパ部にあるキーを無くさないように保管してください。テーパー部にはこのような半月状のキーを使用します。
23:ワイヤーを外して、インナープライマリーを固定しているエンジン側のボルト2本と、ミッション側のナット4個を緩めて外します
24:車体右側、オイルポンプよりチェーンオイラーのホースと、三叉からベントホースを外します。
25:戻りのオイルホースをフィッティングから外します。
26:スプロケットナットの回転防止のロックスクリューを緩める
27:リアブレーキをかけ、スプロケットナットを外します。26のようにミッション側のスプロケ(ドリブン)には'83以前では ロックワッシャー'83後期以降はロックスクリューがついていてスプロケットナットが緩むのを防止しています。 自分のは'83後期生産のようです。ナットを緩める前にこれらを外します。スプロケットナットは12の専用工具で外します。 無いからといってタガネで殴るとか、マイナスドライバーで殴って回すとか論外です。(某有名ショップからの車両でそんな事をされているナットを見たことがあります)
28:最初、アクスル調整ナットを緩めます。次にリアアクスルとアクスルナットを緩めリアホイールを 目一杯前方へ移動させます。リアブレーキキャリパーも外しておきます。
29:アクスルを抜くと、タイヤが外れます。外しにくい場合はリアフェンダーも 外しておきます。この状態でベルトはスプロケから外せますが車体からは外れません。 自分のは緊急ベルトだったのでばらせましたが、ベルトを再利用したい場合はスイングアームを 外してベルトを抜き取ってください。
30:リアホイールを外し、スプロケを固定しているボルトを緩め、スプロケを取り外します。 このときスペーサも一緒に取れますのでなくさないように注意します。これで分解編は終了です。
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