圧縮値の測定方法

・アクセルは全開。閉じているとキャブが閉じた状態なので空気が燃焼室に入りません。
・セルモータで5,6回クランキング。キックだとクランキング速度が遅いのであまり上がりません。


圧縮値測定データ

年式 圧縮 キャブ ピストン 車種 圧縮比
No.1 1970 8.5 CV ボナライト FLH 8:1
No.2 1981 10.5 keihin ボナライト FLH 7.4:1
No.3 1981 9.5 HSR マーレー FX 7.4:1
No.4 1981 9.0 HSR マーレー FLH 7.4:1
No.5 1983 12.0 HSR ワイセコ FLH 9.5:1
No.6 1983 7.0 CV 不明 FLH 不明
No.7 1984 9.5 HSR マーレー FLH 7.4:1
No.8 1985 8.0 SU マーレー FLH 7.4:1


組んでいるピストンによる圧縮値の違い

年式によって圧縮比が違っていたり社外品が入っています。基本的に圧縮比が影響します。
No.5のワイセコは12kgまで上がっています。圧縮比が9.5:1


キャブによる圧縮値の違い

バタフライキャブ、S&S E,Gキャブなど、は固定ベンチュリ型なのでアクセルを回すと比例して空気を吸います。
HSRやFCRのような強制可変ベンチュリー型も同じく、アクセルを回すと比例して空気を吸います。
CVキャブ、SUキャブなどの負圧式可変ベンチュリー型はダイヤフラムが邪魔するのでクランキングぐらいでは全開になりません。
よって圧縮は、HSRなどは高く、CVなどは低くなります。(7,8参照:HSRの方が高くなっています)
負圧式だと1-1.5kg下になります。


実際の測定動画

参考になるかわかりませんが、実際に圧縮値を測定したときの動画をUPしておきます。


測定値の限界

圧縮値はバタフライキャブ使用時7.0kg/cm2以上です。
CVやSUなら基準から-1.0〜-0.5kg/cm2くらいが限界です。
また、前後のシリンダーで測定値の差は0.7kg/cm2以下でないとだめです。


測定値が低い原因

・ピストンリングの磨耗
・バルブシート面の磨耗
・バルブシートへのカーボン噛み込み
・シリンダーボーリング加工ミス
などが考えられます。


冷間時と暖気終了後の値の違い

・暖気後は計測値が高くなります。ピストンが膨張し真円に近くなるためと思っています。
・私の場合、暖気後は12kg/cm2、冷間で11kg/cm2と明らかな変化がありました。
皆さんも、測定条件を変えて測定してみてください。エンジン内部の変化やキャブからの吸い込みの変化が数値で見れて楽しいと思います。ちなみに圧縮計に使用されるOリングの材質はNBRですので120℃までは大丈夫です。暖気後少し時間をおけばOリングに悪影響は与えないでしょう。

yahooオク圧縮計