クラッチハブを3スタッドから5スタッドに交換したとき、クラッチ板がまるでレコード盤のようになっていました。 長いことディスクを掃除していなかったのでスラッジが噛んでしまい表面に溝が入ってしまったようです。
格安でスティールプレートを入手したので、それならと思いフリクション ディスクの手配をしました。
フリクションプレートも交換しました。バーネットの”シリーズK”。 フリクションの材質はケプラーです使用前の注意事項で5分から10分オイルに浸せって書いてましたので、 その様にオイルに浸しました。
ストックとバーネットのクラッチ板との比較です。バーネットのものは表面に 溝が入れられていますが、その用途および効果は不明です。 ストックのスティールディスク表面には溝が入っておりまるでレコード板のようです。
クラッチ板を交換するにはプライマリーカバーを外す必要があります。 プライマリー側のマフラーを外し、フロアーボード、チェンジペダルを外すと プライマリーカバーを外す事が出来ます。 プライマリーを外すと、オイルが200cc位出てきますので 受け皿等でオイルを受けると宜しいかと思います。所要時間は慣れたら15分位出来ます。
クラッチをばらす時に、ナットを外す必要がありますがこれは四角のワッシャを 使えば簡単かと思います。プッシュロッド調整用スクリューのロックナットを一度 取り外し、四角ワッシャを調整用スクリューに挿入しロックナットで締め付けます。 この作業時には必ずバッテリーのアースは外して下さい。
リリースディスクをハブに取り付けているナットを外すと、プレッシャープレートとリリースディスク、 バネがまとめて取り外すことが出来ます。
これが取れたら、後は順次フリクションディスクと、スティールプレートを抜いていけばOKです。
■組む時はこれと逆の順序で組んでやれば良いです。
今回使用したシリーズKですが、フリクションディスクの厚さがストックより1mm程薄いです。 その代わり、枚数が1枚多く、スティールプレートも1枚多く入っていました。 判りやすいかどうか、判りませんが、図で示すと以下のようになっています。 フリクションディスクとスティールプレートの順序を間違えないように組み立てましょう。
上図からいうと、シリーズKの方が全体で2.2mmも厚くなってしまいます。 ストックのバネを使用すると、切れにくくなるかもと書いてあり又その時は 付属のバネを使いましょうと書いてありました。確かに短くなっています。 又、強化SPと比較すると線径は細くなっています。 以下の写真は左:純正 中:強化SP 右:シリーズK付属 の順で撮影しています。 フリクションディスクの枚数を増やすことでスプリングを弱いものに出来ます。そのため、クラッチレバーを握る力が少なくてすみます。おかげでクラッチが軽くて楽です。
クラッチの動作を説明しておきます。クラッチを切るとシェルとハブの動きが分断されます。スティールプレートはシェルと一緒に動きます。 ハブは、フリクションディスクと一緒に動きます。よって、クラッチをつなぐとスティールプレートとフリクションディスクが一緒に動くように なるので、シェルの回転がハブに伝達されリアホイールが回転するようになります。
組み立て終了後、動作確認をと思いエンジンがあったまったので、
クラッチレバーを握り、シフトレバーをローに……。
『ウォ〜、動く!』
普通は動きませんよね。普通は。それが動くのですから何らかの不具合が
発生したことになります。明らかにスティールディスクとフリクションディスクが
何かが原因でくっついてしまっているのです。
『えっ、やっぱり6枚フリクションディスク入れたらあかんのか?』
『スプリングテンション調整用のナット締め過ぎたかな?』
『フリクションディスク、オイルに浸しすぎたかいな』
色々、原因を考え簡単に出来るナットを緩めることから始めましたが
これがほとんどテンションをかけてない状態でもクラッチが切れないことが判明。
■さて原因は?
スプリングテンション調整用のナットを緩めても、フリクションディスクと
スティールディスクがくっついてしまうのですから、どこかでテンションが
かかってしまっているわけです。考えて訳がわからんのでとりあえず
ばらしました。ディスクを取っ払うと、最後の1枚のフリクションディスクが
シェルに密着していません。なんでかいなと思い、それを取っ払うと……。
『う、うずまきが』(丸印のところ)
ベアリングを押さえている、この渦巻きバネの内1つが、溝から外れていました。 このため、内側からテンションが掛かりそのためにクラッチが切れなかったのです。
再度、組み立ててエンジンをかけない状態で動作確認をしました。 今度は、ちゃんとクラッチが切れました。 これで大丈夫だろうと思い翌日、試運転。エンジンを暖気しクラッチレバーを握り ギアをローへ。今度は動きません!OKです。 慣らし運転をかねて生駒までの超ショートツーリングでもと思い、クラッチをつなぎました。 『ガッ、ギュッ、キュッ』 まるでスーパーボール(ゴムでできた球)をお膳の上で無理やり引きずったような音が……。 でも、一度クラッチをつなぐと全然大丈夫です。 くらいつきは目茶目茶良く、また非常に軽いクラッチレバー。握力増強機の汚名返上です。 これはクラッチのスプリングのバネ定数が小さいためで、そのような押し付け力でも十分な 駆動力を得られるためであると考えられます。
で、先ほどの変な音の原因ですが、わかりません。←ジャダーです。
ただ、鳴ったり鳴らなかったりするので予想では、単純にフリクションディスクの移動が
上手くいっていないのではないかと思っています。
ハブのスタッドに挿入する時にチョットしぶいかなと思うくらいでしたので多分そうでしょう。
クラッチを切ったときにフリクションが上手く移動できなかったら当然、スティールディスクと
接触します。しかし圧が掛かっていないので滑っているような音がする。
そのように予想しています。←根本的にここが問題ではない
まっ、取りあえず調子よく動いているので大丈夫でしょう。←全然大丈夫ではない。
又、近々あけてみます。
2008.05.21
ギュギュはいわゆるジャダー。原因を追求し修理が完了しましたので
次にレポをまとめました。
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