トップ -> ハーレー ショベルヘッドの分解・整備・改造 ->85年湿式クラッチ・プライマリーの組立
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●構造上、どうしても漏れるようになっているとしか思えない、ショベルのミッション。スペーサとメインドライブギアの間から、ミッションオイルが漏れるようになっています。長い目で見れば、またいつか漏れてくる可能性もありますが、とりあえずシリコンシーラントで埋めます。
●ホームセンターで売っている安物のシーラントのほうが、耐油性にすぐれるとうたっている液体ガスケットより効果がありました。
一応、耐久テストを行っていますが、設置後、3ヶ月で漏れはないので、オイルによる劣化は少ないものと思われます。
●先に、スペーサの内側に塗布して、次にメインドライブギア側にも塗布します。オイルシールなどは取り付けない状態で、
スペーサをメインドライブギアに挿入します。
●もう一度、スペーサをメインドライブギアから抜きます。余分なシリコンがあふれるのでふき取ります。
●スペーサにオイルシールを挿入した状態で、メインドライブギアに挿入します。
●スプロケットナットを締めこむ長いレンチを利用して、シールとスペーサを挿入します。
●次に、スプロケットを挿入しますが、その前に、「オイル漏れのルート」にシリコンをサイド注入します。スプロケットが入る溝の部分です。
その前に、スプロケがスペーサと接する面にもシリコンを塗布します。塗布したら、スプロケを挿入してナットで固定します。
●湿式クラッチは、ショベルの乾式よりも、スラッジの発生が少ないです。乾式では、ハブのスタッドに挿入されるフリクションプレートはシェル側に入っており、スティールプレートがハブ側に入るようになっている。
●ハブとシェルは一体で取り外しており、ハブのベアリングが破損していない限り、分解する必要はありません。
●ハブとシェルはCクリップで抜けないようになっています。ベアリングはNTN(日本製)が使用されていました。
●湿式のクラッチ構成物、プレッシャープレート、ダイヤフラムスプリング、調整プレートです。
乾式との最大の違いは、圧縮バネがダイヤフラムスプリングに変更されているところです。
クラッチを切る際に、ダイヤフラムですと「ペコッ」って感じでバネが移動して切れます。
●調整プレートは通常、「A」の位置ですが、調整プレートに直定規をあてて、スプリングがへこんだ状態でダイヤフラムと定規の間が0.254mm以内になければ、
B->圧縮最大、C->圧縮最小にあわせて、0.254mm以下になるようにする。
●メインシャフトのシールも交換しました。抜くときはマイナスドライバーなんかだと非常に取りづらいので、バネ鋼みたいなのを利用して先端をL字に曲げて、シールの両方から挿入して、シールを引き抜きます。
●挿入するときは、シリコングリスをシールのゴム部分に塗布します。塩ビ管をシールの寸法に合わせて加工したもので、オイルシールをメインドライブギアに挿入します。
●使用していたプライマリーケースが破損していたの新品を購入。FXBなどのインナーがベルトのものをベアリングとシールが挿入された状態で送られてきたので、ベアリング(JIS6205:ベアリングたろうなんかで購入すると、驚くほど安いですよ)とシールを湿式用に交換しました。
●挿入前に、クランク側にOリングを取り付けます。82以降は径が太いOリングを使用します。ミッションの下の5本のボルトを緩めてフリーにします。
●メインシャフトとインナープライマリーベアリングのクリアランスが少ないので入りにくいため、38mmのソケットをスペーサにして、ハブナットを締め付けて
シャフトに挿入していきました。
●固定する際は、クランク側の4本のボルトを締め付けたあと、ミッション側を締め付けます。24-30N・m 締め付けた後にミッション下の5本のボルトを定トルクで締め付けます。
●インナープライマリーの段差、インナープライマリーの年式別形状の違い、を見てもらえると、使用しているインナープライマリーについてわかります。
ワイヤーでロックします。面倒な人は、ロックタブが売ってますので、それ使ってください。今回、0.4mmのステンレスワイヤーでロックしました。
●湿式クラッチはプライマリー内がオイルで充満されているので、コンペンセーターのカム部分の磨耗が少ないようです。乾式はこの部分、塗布するグリスだけで潤滑されています。
●乾式と同じく、コンペンセータのナットには赤いロックタイトを2,3滴塗布して締め付けます。このときロックツール(赤い矢印部)をチェーンとクラッチシェルの間に挟みこんで、回転しないようにします。
●ハブナットは逆ネジです。乾式と違ってシールは付いていません。青いロックタイト(242)を2滴塗布して締め付けます。トルクレンチは逆トルクもかけられるものが必要です。
●ステールディスクが奥で、次にフリクションプレートになっています。
●アウタープライマリーケースを取り付け13Nmで締め付けます。マニュアル値25Nmで締めるとなめます・・・
●シリコン塗布して3日経過後、走行しました。オイル漏れはありません。
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