湿式クラッチのショベルや4速エボのインナープライマリー組立

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スペーサとメインドライブギアにシリコンシーラント


湿式プライマリーの分解(85年式FLH)はこちらを

ショベルのミッションオイルが漏れるルート ショベルのミッションオイルが漏れるルート ミッションのスペーサにシリコンを塗布します 82以降のスペーサ。純正とV-TWINとの比較 82以降のスペーサ。純正とV-TWINとの比較 メインドライブにもシリコンを塗布します
オイルシールとスペーサを挿入します スプロケットナットを締めるレンチを利用してシールとスペーサを挿入します スプロケットを入れてナットを締めこむ
●構造上、どうしても漏れるようになっているとしか思えない、ショベルのミッション。スペーサとメインドライブギアの間から、ミッションオイルが漏れるようになっています。長い目で見れば、またいつか漏れてくる可能性もありますが、とりあえずシリコンシーラントで埋めます。
●ホームセンターで売っている安物のシーラントのほうが、耐油性にすぐれるとうたっている液体ガスケットより効果がありました。 一応、耐久テストを行っていますが、設置後、3ヶ月で漏れはないので、オイルによる劣化は少ないものと思われます。
●先に、スペーサの内側に塗布して、次にメインドライブギア側にも塗布します。オイルシールなどは取り付けない状態で、 スペーサをメインドライブギアに挿入します。
●もう一度、スペーサをメインドライブギアから抜きます。余分なシリコンがあふれるのでふき取ります。
●スペーサにオイルシールを挿入した状態で、メインドライブギアに挿入します。
●スプロケットナットを締めこむ長いレンチを利用して、シールとスペーサを挿入します。
●次に、スプロケットを挿入しますが、その前に、「オイル漏れのルート」にシリコンをサイド注入します。スプロケットが入る溝の部分です。 その前に、スプロケがスペーサと接する面にもシリコンを塗布します。塗布したら、スプロケを挿入してナットで固定します。

湿式クラッチの構造

湿式プライマリーのミッション側。メインシャフトが乾式と違います。 湿式クラッチのクラッチシェルとハブ。一体で取り外し基本的に分解は必要ありません。 シェルとハブはCクリップで抜けないようになっています シェルとハブをミッション側から撮影 プライマリーで回転するスプロケとスターターのリングギア 湿式クラッチのスティールプレート。ハブと一緒に回転します 湿式クラッチのフリクションプレート。シェルと一緒に回転します
●湿式クラッチは、ショベルの乾式よりも、スラッジの発生が少ないです。乾式では、ハブのスタッドに挿入されるフリクションプレートはシェル側に入っており、スティールプレートがハブ側に入るようになっている。
●ハブとシェルは一体で取り外しており、ハブのベアリングが破損していない限り、分解する必要はありません。
●ハブとシェルはCクリップで抜けないようになっています。ベアリングはNTN(日本製)が使用されていました。

プレッシャープレートとダイヤフラムスプリング

湿式クラッチのプレッシャープレート。真ん中のスクリューはアジャスト用 ハブの4本の突起にプレッシャープレートが入ります。ついでにこれはバランスマスターが入ります その上に、ダイヤフラムスプリングを取り付けます 調整プレートを取り付けます A,B,Cを選択できます。Aが中間で、Bが圧縮最大、Cが最小になっています
●湿式のクラッチ構成物、プレッシャープレート、ダイヤフラムスプリング、調整プレートです。 乾式との最大の違いは、圧縮バネがダイヤフラムスプリングに変更されているところです。 クラッチを切る際に、ダイヤフラムですと「ペコッ」って感じでバネが移動して切れます。
●調整プレートは通常、「A」の位置ですが、調整プレートに直定規をあてて、スプリングがへこんだ状態でダイヤフラムと定規の間が0.254mm以内になければ、 B->圧縮最大、C->圧縮最小にあわせて、0.254mm以下になるようにする。

メインシャフトのシールを交換する

図のようにして、メインシャフトシールを引っこ抜きます 塩ビのパイプをシールにあうように加工してインストーラにしています スプロケとナットを装着した状態。隙間という隙間をシリコンで埋めました
●メインシャフトのシールも交換しました。抜くときはマイナスドライバーなんかだと非常に取りづらいので、バネ鋼みたいなのを利用して先端をL字に曲げて、シールの両方から挿入して、シールを引き抜きます。
●挿入するときは、シリコングリスをシールのゴム部分に塗布します。塩ビ管をシールの寸法に合わせて加工したもので、オイルシールをメインドライブギアに挿入します。

インナープライマリーを挿入する

破損したシールを交換します。乾式用と径やシール部の形状が違います 使用してたのは割れていたので新品を購入。ベアリングとシールを交換した リアホイルを設置させて、チェーンにロックツールをかませる ベアリングとメインシャフトのクリアランスがきついので、ハブロックナットを利用して締め付けます クランク側を先に固定してからミッション側を固定します。
●使用していたプライマリーケースが破損していたの新品を購入。FXBなどのインナーがベルトのものをベアリングとシールが挿入された状態で送られてきたので、ベアリング(JIS6205:ベアリングたろうなんかで購入すると、驚くほど安いですよ)とシールを湿式用に交換しました。
●挿入前に、クランク側にOリングを取り付けます。82以降は径が太いOリングを使用します。ミッションの下の5本のボルトを緩めてフリーにします。
●メインシャフトとインナープライマリーベアリングのクリアランスが少ないので入りにくいため、38mmのソケットをスペーサにして、ハブナットを締め付けて シャフトに挿入していきました。
●固定する際は、クランク側の4本のボルトを締め付けたあと、ミッション側を締め付けます。24-30N・m 締め付けた後にミッション下の5本のボルトを定トルクで締め付けます。
インナープライマリーの段差インナープライマリーの年式別形状の違い、を見てもらえると、使用しているインナープライマリーについてわかります。

ワイヤーロックを施す

クランク側の4箇所のボルトを24-30Nmで締め付けます ワイヤーを穴が開いたボルトに入れてねじねじします 下側もねじねじしてロックします
ワイヤーでロックします。面倒な人は、ロックタブが売ってますので、それ使ってください。今回、0.4mmのステンレスワイヤーでロックしました。

コンペンセータとクラッチシェルとハブを装着する

コンペンのカム部。オイルで満たされているせいか磨耗は少ない シェルとチェーンとコンペン類を取り付けます ナットを締め付けます。38mmmのボックスが必要です。108Nmで締めました。 コンペンセーター。一応バランスマスター取り付けています。
●湿式クラッチはプライマリー内がオイルで充満されているので、コンペンセーターのカム部分の磨耗が少ないようです。乾式はこの部分、塗布するグリスだけで潤滑されています。
●乾式と同じく、コンペンセータのナットには赤いロックタイトを2,3滴塗布して締め付けます。このときロックツール(赤い矢印部)をチェーンとクラッチシェルの間に挟みこんで、回転しないようにします。

クラッチハブナットを取り付ける

ハブナットは逆ネジです。反時計回りで締付けです 自作のハブロックツール。ハブの4本のスタッドを利用して回転しないようにしてます 青いロックタイトを2滴。47-68Nmで締め付けます
●ハブナットは逆ネジです。乾式と違ってシールは付いていません。青いロックタイト(242)を2滴塗布して締め付けます。トルクレンチは逆トルクもかけられるものが必要です。

湿式クラッチを組み立てる

プッシュロッドを挿入します。 スペーサみたいなもの プッシュロッドに続いて、スペーサも挿入します スティールプレート、フルクションディスクを挿入してプレッシャープレートを挿入 調整プレートを4本のボルトで固定。プライマリーチェーンの張り具合も調整 4本のボルトは10Nm程度で締め付ける。均等に締め付けてください
●ステールディスクが奥で、次にフリクションプレートになっています。

アウタープライマリーケースを取り付けて完成

アウターを取り付け固定します 走行後、停車して漏れがないのを確認 快適に走行しているそうです
●アウタープライマリーケースを取り付け13Nmで締め付けます。マニュアル値25Nmで締めるとなめます・・・
●シリコン塗布して3日経過後、走行しました。オイル漏れはありません。

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