ハイドラリックユニット(油圧ユニット)がついている場合の、プッシュロッドの長さ調整についてまとめています。 基本的に、圧縮上死点で調整すればカチカチ音は消えます。上死点は圧縮と排気の2箇所ありますから、間違えないようにして下さい。 ピストンの位置は同じでも、カムの位置が違います。
上死点を出すためにはクランク左側に付いているマークをタイミングホールに出します。
年式によってマークの持つ意味合いが変わっています。
図のように、79年までは「|」がフロントの進角マーク、「・」が上死点。80年以降は「・」がフロント進角マーク、「|」が上死点となっています。 プッシュロッドの調整をするときは、フロント圧縮上死点(マーク79年までは「|」、80年以降は「・」)を出します。(上の画像の左側)
さぁ、これでOK?いえいえ、実はこのマーク、排気上死点でも全く同じ位置に出ます。この時点では、ここが圧縮上死点か、排気上死点かわかりません。 エンジンを分解して、プッシュロッドを抜いた状態では尚更です。プッシュロッドが付いた状態では、排気上死点ではカムがプッシュロッドを押し上げて、 排気バルブが少し開いた状態ですので、プッシュロッドは指で軽く回りません。その場合は、クランクを360度回転させると圧縮上死点になります。 指で軽く回ったら、そこが圧縮上死点です。
カムはクランク軸が2回転で1回転します。下の図(クランクの回転角度)では、@吸気工程とC排気工程でカムがそれぞれ作用するのがわかると思います。 ピストンが上に向かうのは、A圧縮工程と、C排気工程で、それぞれ圧縮上死点と排気上死点になるピストンの位置があります。 それで、下の図からもわかるように、C排気工程の上死点ではカムが排気バルブを開いているので、ここでプッシュロッドを調整すると、激しく音が出ます。 吸気側はカムが動作していないので、C排気工程の上死点で調整しても問題ありません。
プッシュロッドの上を固定して、下の部分を時計方向に回転させ伸ばしていきます。ある程度、伸ばすと指で回転させられなくなります。
この状態で、しばらく放置。油圧ユニット(ハイドラリックユニット)を外してオイルを抜いて洗浄した場合は別。
放置することで、油圧ユニット内のオイルが抜けますので、また指で回転させることが出来ます。回転できたら、同じ様に伸ばして、また指で回らないところまで
伸ばします。繰り返していくと、放置していても指で回らなくなりますので、この状態になったら少し戻して指で回るようにします。
次に、1 1/2回転戻します。これで油圧ユニット内にオイルが入る空間を作ります。ちなみにサービスマニュアルの70-78年では1 3/4回転戻しとあります。1200ccと1340ccで違うのでしょうか?
それほどシビアではないと思いますが・・・。戻したら、ロックナットを固定しますが、ナットを固定するときに1/2回転ほどしますので、最初の1 1/2回転のときに
それをみこして、少なめに回転させてさせておきます。
一応、この確認ツールを使います。
矢印の筋のところが上端と一致すればOKですね。
さて、ここで一応、クランクを360度回転させてください。フロントの排気側のプッシュロッドは指で動きますか?動いたら、最初の調整は排気上死点で行ったことになります。 360度回転させたこの位置が圧縮上死点ですので、排気側だけ、再度調整しなおしてください。
フロントの圧縮上死点で調整したので、前側に315度回転、もしくは後ろ側に45度回転させてリアの圧縮上死点で、同様の作業を繰り返してください。
その昔、エンジンが焼きついた時、カタカタ音がしました。プッシュロッド周りの音と思って調整しましたが、当然全く改善されませんでした(笑
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