スポンサードリンク

Harley-Davidson ショベルヘッド FLH ジャダーの改善

  • Harley-Davidson FLH80 クラッチのジャダーに関する修理
  • ショベルヘッドのクラッチはFL,FX系とも同じです
  • クラッチシェルはベルトドライブ式(82年後期以降)とチェーン式ではギアの位置が異なります

ジャダーの原因:

根本的なものは、ハブとシェルのクリアランス。 これが大きいとどうなるか。

  • クラッチを切ったとき、シェルがゆがんで出る
  • フリクションディスクとスティールプレートもゆがんで出る
  • 次にクラッチを繋いだとき、フリクションディスクとスティールプレートが 部分的に接触。 このとき回転力がその局部にかかるので、ジャダーが発生する

という理屈で起こっていると推測。あくまで推測です。 では、レポートを。


まずジャダーが発生しているハブの外径をノギスで測る。

まずジャダーが発生しているハブの外径をノギスで測る。

クラッチハブの外径:87mm

クラッチハブの外径:87mm



まずジャダーが発生しているハブの外径をノギスで測る。

まずジャダーが発生しているハブの外径をノギスで測る。

ハブのチェック箇所:

  • 1:シェルと接触するディスク。古いものは浮いたりしていてジャダーの 要因になる可能性あり。ひび割れ、浮きは即交換。
  • 2:留めリベット。外れていたらついでにプレートと共に交換。
  • 3:バネを入れる溝。 このとき回転力がその局部にかかるので、ジャダーが発生する
  • 4:スタッドの傷や偏磨耗もディスクがスムーズに移動 しない原因になるので要チェック。ペーパなどで修正。 修正不可なら交換。



クラッチハブ裏面のリベット部も要チェック。

裏面のリベット部も要チェック。

シェルの内側:

シェルの内側


  • @フリクションプレートが接触するところ。 あまり溝が多いものは、シェル交換。 傷を付けたくなければ、こまめに分解清掃か マグネット付のプライマリードレンボルトを 使用しましょう。
  • Aスチールプレートが移動するところ。 段付のものはやすり等で修正。 組むときにグリースなど塗布しないこと。 ディスクについて滑る可能性あり。


スライダーの段差も要チェック

Aの拡大画像
見ての通り段がついています。 これくらい段がついていると、移動させたとき 引っかかる感じがする。 出来れば交換したほうが良いが 段の部分だけ移動し、引っかからないようなら そのまま使用でも可。



シェルの内径を測定する。

シェルの内径を測定する。

シェルの内側:98.45mm

シェルの内側:98.45mm



ローラの径を測定する

ローラ径を測定:

5.56mm
よってギャップは
98.45−(5.56×2)-87=0.33
になる。
0.1程度がよいので、これは大きすぎる。

対策:
手元にあった純正ハブの径を測定すると87.2mm。
純正ハブベアリング径、5.56mm
計算上、ギャップが0.13mmでした。
組んだところ、がたがありませんでした。



組み上げたクラッチシェルを動かしてみる

純正ハブ+純正シェル+バーネットフリクションディスク
社外プレッシャープレートを組んだ状態。

リングギア部を持ってシェルを振ろうとしましたが
振れません。
社外5スタッドハブの場合、振ることが出来ます。
それだけガタがあったということですね。

これで運転をしたが、ジャダーが無くなりました。
通常、摩擦係数が高いフリクションディスクを
用いるとジャダーがより発生しやすいですが
ギャップを適正値にすることで解消できました。


クラッチをきって、シェルを回してみる

クラッチを切った状態でハブが回せると思います。
もしゆがんでいたらフリクションディスクがスティールプレートと
接触するので回せなくなるでしょう。


シェルのリングギアも確認する

ついでなのでリングギアもチェック。 ここはスタータドライブギア(ワンウェイクラッチ)が噛む部分。 減りが激しいようなら交換。

スティールプレートも確認する

長い間(20,000km)使用したスティールプレート。 まるでレコード板のよう。交換が望ましい。



フリクションディスクもこのようにひび割れしたら即交換

フリクションディスクもこのようにひび割れしたら即交換

スティールプレートは溝だらけ

スティールプレートは溝だらけ



スタータドリブンとリングギアのかみ合い

スタータドリブンギアとリングギア。 セルだけ空回りするときは、このスタータドリブンギアの ワンウェイクラッチ機構がOUTになっている。

リングギアの位置は1982以前と以降で違うので注意

シェルは1982年前期までと1982年後期以降で リングギアの位置が異なります。 オークションなどで落札する前には注意しましょう。 私は82前期以前のを入手してリングギアの位置を 変更しました。 セルモータなどの始動系が変更になったためでしょう。


スポンサードリンク

Designed by CSS.Design Sample