ハーレーのエンジン工程・45度狭角V-TWIN/圧縮上死点や点火時期についての説明

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ハーレーのエンジンの燃焼工程・45度狭角V-TWIN

エンジンの各工程をクリックすると、そのときの前後のピストン位置が表示されます

ハーレーのエンジン工程

クランク回転角をx軸に、カムリフト量をy軸に取りました。
カムのプロフィールは正確にはこうではありません。
本来ならば高次の方程式(ポリアミドカムなど)を解く必要がありますが
便宜上、y=ax2 の単純な2次関数で作成しています。
また、4サイクルエンジンの1工程はクランク角720度(2回転)で
終了するので、x軸は0〜720でプロットしています。
フロントの圧縮上死点を基準(0)にしてグラフ化しています。

タイミングの参考は、Andrews社製’A’Grindカムにしています。
このカムは、オーバーラップ(吸気バルブと排気バルブが同時に開いています、
グラフで紺の曲線とピンクの曲線が交差する範囲)を持つカムです。
フロント側では上グラフ360度前後の部分、リア側では675度前後の部分が
オーバーラップの範囲です。

グラフからも判るように、フロントの工程から315度経過すると
同じ工程がリアで行われます。これは、ハーレーのエンジン角度が
45度であるため、フロント→リアは360度ー45度=315度となり
リア→フロントは360度+45度=405度となります。

プッシュロッドを調整する祭、圧縮上死点で行う必要がありますが
これはプッシュロッドがバルブを押していない状態です。
グラフではフロントが0度、リアが315度の位置です。
フロントが圧縮上死点のとき、リアは吸気工程なので
リア吸気側のプッシュロッドは指で回しても回転しません。
リアが圧縮上死点とき、フロントは排気工程です。
よってフロントの排気側プッシュロッドは指で回しても回転しません。

点火時期は上死点より前にあります。
もし上死点で点火していたら、燃焼室内に圧力が
発生する頃にはピストンはすでに下がり始めているので
充分な圧力をピストンに加えることが出来ません。
そのため、上死点前に点火することになります。

上に、点火するときのピストン位置と上死点でのピストン位置の
比較画像を添付します。結構、前で点火しているのがわかります。
このマークをアドバンス(進角)マークといい、タイミングライトなどを用いて
点火時期を調整しています。ただし、この点火時期はストックのカム、圧縮比、
キャブレターでの位置であり、より速くガソリンが燃焼する状態になっていれば
(圧縮比をあげるとか、早く大量の混合気を吸うようなカムを付けるとか)
点火時期を遅らせないと、ノッキングやデトネーションの発生につながり
エンジンによろしくありません。火炎伝播速度が速くなれば、その分、ストックの
状態より速く燃焼室内に圧力が発生するので、点火時期を遅らせることで
ピストンが上死点に来た祭に圧力がピストンに加わるようにしています。

いわゆる3拍子についての考察

ハーレーのエンジン工程

いわゆる3拍子はリア側の失火によって起きていることは、他のサイトでも実験によって証明されています。 リアの失火についてですが、全くの私見になりますが、上のグラフからリアの吸気完了からフロントの吸気開始までと、 フロントの吸気完了から、リアの吸気開始までの時間を比較しますと、明らかにリアの吸気完了からフロントの吸気開始までの時間の方が長いです。

このことから、低速領域では混合気の慣性力から、フロント側に流れてしまい、リアの吸気バルブが開いても、フロント側に流れようとする力が強くて、 リア側に充分な混合気が供給されないためにリアが失火するのでは無いかと思います。その結果、いわゆる三拍子を奏でているのではないかと。

あくまで推測であり、私見でありますのでご参考程度に。

カムの動作FLASHに、カムのカタログの見方をまとめています。

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