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ショベルヘッドの点火タイミング

ショベルヘッドの点火時期ですが、調整するとき車体右側のプラグホールからフライホイールのマークをあわせて調整します。しかし79年までと80年以降では車体右側、覗き窓から見えるクランクに付いているマークの意味も違っています。 ややこしいですね。79年まで「|」がフロントの点火時期(進角マーク)ですが80年以降では「|」はフロントの上死点になっています。まずは車体のクランクが何であるか確認してください。 確認方法は簡単で、「|」ー>「・」が79年までで、「・」ー>「|」が80年以降です。「|」が見えてからクランクを車体進行方向に35度回転させて、「・」が出れば79年までで、何も出なければ 80年以降です。下の方で、この詳細が一目でわかる図をリンクします。

  • Harley-Davidson ショベルヘッドの点火タイミングの説明です。FLH,FXとも同じです。
  • 画像は社外品のDYNA-S独立点火のものです
  • 独立点火は前後のシリンダーにそれぞれの点火タイミングで火花を飛ばすタイプです。
  • 同時点火(同爆)は前後の点火タイミングで前後に火花を飛ばしています。 フロント側が点火タイミングで火花が飛ぶ瞬間、同じタイミングでリア側にも火花が飛んでいます。 同様にリア側が点火タイミングで火花が飛ぶ瞬間、同じタイミングでフロント側にも火花が飛んでいます。
  • 純正はポイント点火、セミトランジスタ点火、フルトランジスタ点火の3種類が年式によって採用されています
  • 80年代のものはフルトランジスタ点火になっています。点火タイミングはマップで決定されているので三拍子が出にくいです
  • ポイント点火は接点に電流が流れますので定期的なメンテが必要です。
  • 基本的にフルトラは壊れにくいのでお勧めです
  • コイルの抵抗値はフルトラが3オーム、ポイントが5オームになっています


年式によるクランクの進角マークと点火時期調整

ハーレー ショベル ポイント点火のタイミング

図のように、79年までは「|」がフロントの進角マーク、「・」が上死点。80年以降は「・」がフロント進角マーク、「|」が上死点となっています。 ポイント点火で点火時期を合わせるときは、フロント圧縮工程の上死点(マーク79年までは「・」、80年以降は「|」)を出しておいて、センサープレートを回転させて、ブレーカーカムの狭い山に (↓参考してください)カムフォロアーが乗って接点が離れるところでプレートを固定します。

上死点には、圧縮工程の上死点と排気工程の上死点があります。フロント排気側プッシュロッドが指で回る方の上死点が圧縮工程(カムがプッシュロッドを押していない)です。

タイミングライトで確認する場合は、2,000rpmでエンジンを回転させ、車体左側の穴にライトをあて進角マークが見えるように調整します。

プラグから火花が出る原理とタイミング

アドバンス、進角。エンジン回転数が速くなると点火の時期を早くする必要があります。 これは、プラグが火花を発生してからピストンに圧力をかけるまでに一定時間かかります。 そのため、回転数が上がると時期を早めなければなりません。

80年以降のHDは点火方式はフルトランジスタになっていて、モジュールで全て制御していますが それ以前のものは、点火時期を早めたりするためにはガバナーと呼ばれる機械式のアドバンスユニットが使用されています。

点火は1次コイル側への電気を遮断するために生じる自己誘電作用と それによって2次コイルに生じる相互誘導作用により数万ボルトの電圧 (ただし電流は低い)を生じています。 よって、点火の時期を制御する装置と、電気の流れを遮断する装置が必要になります。

一次コイル、二次コイルといっても通常の「コイル」が2個あるわけではなく、コイルの中で線の太さと巻数が違う2種類のコイルが入っていて 線が太く巻数が少ないのを一次コイル、線が細く巻き数が多いのを二次コイルといいます。

時期を司る装置・・・アドバンスユニット(ガバナー)、モジュール
電気の流れを遮断する装置・・・ポイント、センサーとロータ

と考えればいいかと思います。

ポイントの電気の流れについては ココにflashで作成しています。 センサーも同じように電気の流れを遮断しています。

セミトラの進角の説明


上のアニメのように、真ん中の丸い部分は一定範囲で動きます。 この動く範囲が進角の範囲です。そして、真ん中のくり抜きは デザインではなくこの位置により、センサーが感知し電気を遮断します。 ポイントではここがブレーカカムになっているわけです。 ちなみにフルトラの場合も、ロータに同様な切りかきがあります。


矢印の部分がセンサーです。前後独立点火のためセンサーは2個付です。 同時点火の場合はこれが一つです。 ちなみにDYNA-Sです。

79年式のみに採用された純正のセミトラです。

基本は、DYNAと同じです。センサーとモジュールが分離されています。

次に真ん中の丸い部分の全体を見てみましょう。

これがアドバンスユニットです。バネがついていますね。エンジンの回転軸に (正確にはカム軸)に取り付けられていて、回転が上がると遠心力で バネが伸びガバナーが開きます。これが上のアニメでの動いた後の状態です。
動きますと、真ん中のくり抜き部が反時計回りに動きますね。さきほども説明したとおり、このくり抜きの位置で電気を遮断していますので 動くことにより、点火時期が早くなるわけです。
通常、タイミングライトで測定する場合は2,000rpmに設定しますので2,000rpmになれば、フルアドバンス(進角一杯)状態であります。

アニメでつくるとこんな感じです。
よってバネを硬いのに交換すると進角しにくい
=高回転でもフルアドバンスになるのが遅い
=点火時期が遅くなる
などの特性になります。柔らかい場合は逆です。

ポイントの進角の説明

基本はセミトラと同じで、ガバナーで進角をとっています。真ん中の回転部分にブレーカーカムが付いていて カム軸が回転すると、このブレーカーカムが回転して、ポイントの接点を開閉します。 接点が開くと点火で、ブレーカーカムには狭い山と広い山があって、フロントの点火は狭い山、リアの点火は広い山になってます。


ハーレー ショベル ポイント点火のタイミング
ブレーカーカムの狭い山に、カムフォロアーが乗ると接点が開いて、フロント側が点火します。フロント点火後、クランク角が315度回転してリアが点火しますので 今度は狭い山で接点が開いて、315度/2=157.5度ブレーカーカムが回転すると、広い山で接点が開いてリア側が点火します。

フルトランジスタの進角の説明

エボまでこの方式です。点火時期をモジュールで制御しているので回転数を落とせないので3拍子が出ないです。 3拍子をエボで出したければ、ガバナーで点火時期を制御するポイント式やDYNA-Sのようなセミトラに交換すると3拍子が出しやすくなります。 ちなみにTCになると機械式のピックアップはないので、モジュールを交換して3拍子を出します。
TCの3拍子を出すことについての詳細はnappinさんツインテックモジュール奮闘記がものすごく分かりやすく書いてありますので参考にしてください。


センサープレートの内側にロータが入っています。ロータはポイントでいうところのブレーカーカムで 幅の狭い切り欠きと、幅の広い切り欠きがあり、ポイントと同じくこれが前後の点火タイミングになっています。


画像のようにセンサーのコの字にロータが入って、切り欠きが始まるところで点火します。


モジュールは車体前方、下部についています。途中で追加しているので配置が無理やりですね。エボになると最初からモジュールになっているので 設計段階で配置を考慮していますね。このモジュールがポイントやセミトラでいうところのガバナーと同じ機能を持っています。回転数が早くなると点火のタイミングを 早くします。

その他点火時期関連はブログに記載しています。

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